短時間・有期雇用労働者に関するルール変更(令和8年10月1日施行)
○短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(短時間・有期雇用労働法)施行規則の改正に伴う短時間・有期雇用労働者雇用に関するルールの変更令和8年10月1日から、短時間・有期雇用労働者を雇い入れた時の労働条件明示事項として、現行の明示事項に加え、新たに「待遇の相違の内容・理由等に関する説明を求めることができる」旨の明示が必要になります。
短時間・有期雇用労働者の労働条件の明示については、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律第六条に規定されていますが、今回の改正は法の改正ではなく、施行規則第二条の改正による変更です。
法第6条(労働条件に関する文書の交付等)
事業主は、短時間・有期雇用労働者を雇い入れたときは、速やかに、当該短時間・有期雇用労働者に対して、労働条件に関する事項のうち労働基準法(昭和22年法律第49号)第15条第1項に規定する厚生労働省令で定める事項以外のものであって厚生労働省令で定めるもの(次項及び第14条第1項において「特定事項」という。)を文書の交付その他厚生労働省令で定める方法(次項において「文書の交付等」という。)により明示しなければならない。
施行規則第二条 法第六条第一項の厚生労働省令で定める短時間・有期雇用労働者に対して明示しなければならない労働条件に関する事項は、次に掲げるものとする。
一 昇給の有無
二 退職手当の有無
三 賞与の有無
四 法第十四条第二項の規定*1による説明を求めることができる旨
五 短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口
太字:今回の改正事項(新設)、五は従前の規定(四)を繰下げ
労働条件通知書(厚生労働省サンプル)
| 年 月 日 殿 事業場名称・所在地 使用者職氏名 |
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| 契約期間 | 期間の定めなし、期間の定めあり( 年 月 日~ 年 月 日) ※以下は、「契約期間」について「期間の定めあり」とした場合に記入 1 契約の更新の有無 [自動的に更新する・更新する場合があり得る・契約の更新はしない・その他( )] 2 契約の更新は次により判断する。 ・会社の経営状況 ・従事している業務の進捗状況 ・その他( ) 3 更新上限の有無(無・有(更新 回まで/通算契約期間 年まで)) |
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| 【労働契約法に定める同一の企業との間での通算契約期間が5年を超える有期労働契約の締結の場合】 本契約期間中に会社に対して期間の定めのない労働契約(無期労働契約)の締結の申込みをすることにより、本契約期間の末日の翌日( 年 月 日)から、無期労働契約での雇用に転換することができる。この場合の本契約からの労働条件の変更の有無( 無 ・ 有(別紙のとおり) ) |
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| 【有期雇用特別措置法による特例の対象者の場合】 無期転換申込権が発生しない期間: Ⅰ(高度専門)・Ⅱ(定年後の高齢者) Ⅰ 特定有期業務の開始から完了までの期間( 年 か月(上限10年)) Ⅱ 定年後引き続いて雇用されている期間 |
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| 就業の場所 | (雇入れ直後) (変更の範囲) | ||||||||
| 従事すべき 業務の内容 |
(雇入れ直後) (変更の範囲) |
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| 【有期雇用特別措置法による特例の対象者(高度専門)の場合】 ・特定有期業務( 開始日: 完了日: ) |
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| 始業、終業の時刻、休憩時間、就業時転換((1)~(5)のうち該当す るもの一つに○を付けること。)、所定時間外労働の有無に関する事項 |
1 始業・終業の時刻等 (1) 始業( 時 分) 終業( 時 分) 【以下のような制度が労働者に適用される場合】 (2) 変形労働時間制等;( )単位の変形労働時間制・交替制として、次の勤務時間の組み合わせによる。 始業( 時 分) 終業( 時 分) (適用日 ) (3) フレックスタイム制;始業及び終業の時刻は労働者の決定に委ねる。 (ただし、フレキシブルタイム(始業) 時 分から 時 分、 (終業) 時 分から 時 分、 コアタイム 時 分から 時 分) (4) 事業場外みなし労働時間制;始業( 時 分)終業( 時 分) (5) 裁量労働制;始業( 時 分) 終業( 時 分)を基本とし、労働者の決定に委ねる。 ○詳細は、就業規則第 条~第 条、第 条~第 条、第 条~第 条 2 休憩時間( )分 3 所定時間外労働の有無 ( 有 (1週 時間、1か月 時間、1年 時間),無 ) 4 休日労働( 有 (1か月 日、1年 日), 無 ) |
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| 休 日 及び 勤 務 日 |
・定例日;毎週 曜日、国民の祝日、その他( ) ・非定例日;週・月当たり 日、その他( ) ・1年単位の変形労働時間制の場合-年間 日 (勤務日) 毎週( )、その他( ) ○詳細は、就業規則第 条~第 条、第 条~第 条 |
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| 休 暇 | 1 年次有給休暇 6か月継続勤務した場合→ 日 継続勤務6か月以内の年次有給休暇 (有・無) → か月経過で 日 時間単位年休(有・無) 2 代替休暇(有・無) 3 その他の休暇 有給( )無給( ) ○詳細は、就業規則第 条~第 条、第 条~第 条 |
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| 賃 金 | 1 基本賃金 イ 月給( 円)、ロ 日給( 円) ハ 時間給( 円)、 ニ 出来高給(基本単価 円、保障給 円) ホ その他( 円) ヘ 就業規則に規定されている賃金等級等 |
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2 諸手当の額又は計算方法 イ( 手当 円 /計算方法: ) ロ( 手当 円 /計算方法: ) ハ( 手当 円 /計算方法: ) ニ( 手当 円 /計算方法: ) 3 所定時間外、休日又は深夜労働に対して支払われる割増賃金率 イ 所定時間外、法定超 月60時間以内( )% 月60時間超 ( )% 所定超 ( )% ロ 休日 法定休日( )%、法定外休日( )% ハ 深夜( )% 4 賃金締切日( )-毎月 日、( )-毎月 日 5 賃金支払日( )-毎月 日、( )-毎月 日 6 賃金の支払方法( ) |
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| 7 労使協定に基づく賃金支払時の控除(無 ,有( )) 8 昇給( 有(時期、金額等 ) , 無 ) 9 賞与( 有(時期、金額等 ) , 無 ) 10 退職金( 有(時期、金額等 ) , 無 ) |
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| 退職に関す る事項 |
1 定年制 ( 有 ( 歳) , 無 ) 2 継続雇用制度( 有( 歳まで) , 無 ) 3 創業支援等措置( 有( 歳まで業務委託・社会貢献事業) , 無 ) 4 自己都合退職の手続(退職する 日以上前に届け出ること) ○詳細は、就業規則第 条~第 条、第 条~第 条 |
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| そ の 他 | ・社会保険の加入状況( 厚生年金 健康保険 その他( )) ・雇用保険の適用( 有 , 無 ) 中小企業退職金共済制度 (加入している , 加入していない)(※中小企業の場合) ・企業年金制度( 有(制度名 ) , 無 ) ・次の窓口に対して通常の労働者との間の待遇の相違(内容・理由)等について説明を求めることができる。 部署名 担当者職氏名 (連絡先 ) ・雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口 部署名 担当者職氏名 (連絡先 ) ・その他( ) |
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・具体的に適用される就業規則名( )![]() ※以下は、「契約期間」について「期間の定めあり」とした場合についての説明です。 労働契約法第18条の規定により、有期労働契約(平成25年4月1日以降に開始するもの)の契約期間が通算5年を超える場合には、労働契約の期間の末日までに労働者から申込みをすることにより、当該労働契約の期間の末日の翌日から期間の定めのない労働契約に転換されます。ただし、有期雇用特別措置法による特例の対象となる場合は、無期転換申込権の発生については、特例的に本通知書の「契約期間」の「有期雇用特別措置法による特例の対象者の場合」欄に明示したとおりとなります。 |
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| 以上のほかは、当社就業規則による。就業規則を確認できる場所や方法( ) | |||||||||
※ 労働条件通知書については、労使間の紛争の未然防止のため、保存しておくことをお勧めします。
*1:
第14条(事業主が講ずる措置の内容等の説明) 第二項 事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者から求めがあったときは、当該短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由並びに第6条から前条までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項について、当該短時間・有期雇用労働者に説明しなければならない。
この施行規則の改正は、上記法第十四条の規定の実効性を担保するために行われたものといえます。
なお、第十四条中、第六条から前条(十三条)までの規定により措置を講ずべきこととされている事項とあるのは、以下の事項です。
第六条:労働条件に関する文書の交付等、第七条:就業規則の作成の手続、第八条:不合理な待遇の禁止、第九条:通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止、第十条:賃金、第十一条:教育訓練、第十二条:福利厚生施設、第十三条:通常の労働者への転換
○短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針(同一労働同一賃金ガイドライン)の改正~新たに追加された内容~
短時間・有期雇用労働法は、その第八条・第九条において、同一企業内の正社員と短時間・有期雇用労働者との間で、待遇について不合理な相違を設けること、通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者について短時間・有期雇用労働者であることを理由として差別的取扱いをすることを禁止しています。同一労働同一賃金ガイドラインは不合理な待遇差・差別的取扱いについて、その考え方や具体例を示したものです。
今回このガイドラインが改正され、令和8年10月1日から適用されます。
第8条(不合理な待遇の禁止)
事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間において、当該短時間・有期雇用労働者及び通常の労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。
第9条(通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者に対する差別的取扱いの禁止)
事業主は、職務の内容が通常の労働者と同一の短時間・有期雇用労働者(第11条第1項において「職務内容同一短時間・有期雇用労働者」という。)であって、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの全期間において、その職務の内容及び配置が当該通常の労働者の職務の内容及び配置の変更の範囲と同一の範囲で変更されることが見込まれるもの(次条及び同項において「通常の労働者と同視すべき短時間・有期雇用労働者」という。)については、短時間・有期雇用労働者であることを理由として、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、差別的取扱いをしてはならない。
以下に新たに追加された事項について記載します。
△各種手当について
1⃣賞与・退職手当
賞与・退職手当の目的には、労務の対価の後払い、功労報償等のさまざまな目的が含まれます。これらの目的が妥当するにもかかわらず、短時間・有期雇用労働者に対し、正社員との間の職務の内容等の違いに応じた均衡のとれた内容を支給しない場合、不合理と認められる可能性があります。
このことがガイドラインの注釈として、次のように明示されました。
・賞与 賞与については、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的として、労務の対価の後払い、功労報償、生活費の補助、労働者の労働意欲の向上等の様々な性質及び目的が含まれうるものであるが、通常の労働者と同様に短時間・有期雇用労働者にも当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的が妥当するにもかかわらず、短時間・有期雇用労働者に対し、通常の労働者との間の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものの相違に応じた均衡のとれた内容の賞与を支給せず、かつ、その見合いとして、労使交渉を経て、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的が妥当しない他の短時間・有期雇用労働者に比べ基本給を高く支給している等の事情もない場合、当該賞与の相違は不合理と認められるものに当たりうることに留意すべきである。
・退職手当 退職手当については、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的として、労務の対価の後払い、功労報償等の様々な性質及び目的が含まれうるものであるが、通常の労働者と同様に短時間・有期雇用労働者にも当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的が妥当するにもかかわらず、短時間・有期雇用労働者に対し、通常の労働者との間の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものの相違に応じた均衡のとれた内容の退職手当を支給せず、かつ、その見合いとして、労使交渉を経て、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的が妥当しない他の短時間・有期雇用労働者に比べ基本給を高く支給している等の事情もない場合、当該退職手当の相違は不合理と認められるものに当たりうることに留意すべきである。
2⃣無事故手当
正社員と業務の内容が同一の短時間・有期雇用労働者には、正社員と同一の無事故手当を支給しなければなりません。
これがガイドラインに次のように記載されました。
・無事故手当 通常の労働者と業務の内容が同一の短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の無事故手当を支給しなければならない。
3⃣家族手当
労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれる短時間・有期雇用労働者には、正社員と同一の家族手当を支給しなければなりません。
これがガイドラインに次のように記載されました。
・家族手当 労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれる短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の家族手当を支給しなければならない。(問題とならない例)
A社においては、通常の労働者であるXに対しては家族手当を支給しているが、労働契約の更新を繰り返していない等、相応に継続的な勤務が見込まれない有期雇用労働者であるYに対しては、家族手当を支給していない。
(問題となる例)
A社においては、通常の労働者であるXに対しては家族手当を支給しているが、労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれる有期雇用労働者であるYに対しては、家族手当を支給していない。
(注)配偶者の収入要件があるいわゆる「配偶者手当」については、特に女性の短時間労働者の就業調整の要因となっていると指摘されていることから、各事業主において、労使の話合いによって、働き方に中立的な制度となるよう見直しを進めることが望まれる。
4⃣住宅手当
住宅手当が「転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるもの」である場合、正社員と同一の転居を伴う配置の変更がある短時間・有期雇用労働者には、正社員と同一の住宅手当を支給しなければなりません。
これがガイドラインに次のように記載されました。
・住宅手当 住宅手当であって、転居を伴う配置の変更の有無に応じて支給されるものについて、通常の労働者と同一の転居を伴う配置の変更がある短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の住宅手当を支給しなければならない。
(問題とならない例)
A社においては、転居を伴う配置の変更が見込まれる通常の労働者であるXには住宅手当を支給している。一方で、有期雇用労働者であるYには転居を伴う配置の変更が見込まれないため、住宅手当を支給していない。
(問題となる例)
A社においては、転居を伴う配置の変更が見込まれることを理由として、通常の労働者であるXに対し、住宅手当を支給しており、当該変更が見込まれないことを理由として、有期雇用労働者であるYには住宅手当を支給していないが、A社では実態として通常の労働者に対しても、転居を伴う配置の変更を命じていない。
(注)住宅手当であって、転居を伴う配置の変更の有無にかかわらず支給されるものについても、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならないことに留意すべきである。
5⃣福利厚生施設
通常の労働者と同一の事業所で働く短時間・有期雇用労働者には同一の福利厚生施設の利用を認めなければならないことは改正前にも記載されていましたが、福利厚生施設の料金・割引率等の利用条件について、不合理と認められる待遇差を設けてはならないことが追記されました。
このことがガイドラインに次のように記載されました。
・福利厚生施設 通常の労働者と同一の事業所で働く短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の給食施設、休憩室及び更衣室の利用を認めなければならない。
また、福利厚生施設の利用料金・割引率等の利用条件についても短時間・有期雇用労働法第8条の適用を受けるものであり、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理と認められる相違を設けてはならない。
6⃣病気休職
短時間労働者(有期雇用労働者である場合を除く。)には、通常の労働者と同一の病気休職の取得を認めなければならず、有期雇用労働者にも、労働契約が終了するまでの期間を踏まえて、病気休職の取得を認めなければならないことは改正前にも記載されていましたが、正社員に病気休職期間に係る給与の保障を行う場合には、労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれる短時間・有期雇用労働者にも、正社員と同一の給与の保障を行わなければならないことが追記されました。
このことがガイドラインに次のように記載されました。
短時間労働者(有期雇用労働者である場合を除く。)には、通常の労働者と同一の病気休職の取得を認めなければならない。また、有期雇用労働者にも、労働契約が終了するまでの期間を踏まえて、病気休職の取得を認めなければならない。
さらに、通常の労働者に病気休職期間に係る給与の保障を行う場合には、労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれる短時間・有期雇用労働者にも、通常の労働者と同一の給与の保障を行わなければならない。
(問題とならない例)
A社においては、労働契約の期間が1年である有期雇用労働者であるXについて、病気休職の期間は労働契約の期間が終了する日までとしている。
(問題となる例)
A社においては、通常の労働者であるXには、病気休職期間に係る給与の保障を行っているが、労働契約の更新を繰り返している等、相応に継続的な勤務が見込まれる有期雇用労働者であるYには、病気休職期間に係る給与の保障を行っていない。
7⃣夏季冬季休暇
短時間・有期雇用労働者にも、正社員と同一の夏季冬季休暇を付与しなければなりません。
このことがガイドラインに次のように記載されました。
・夏季冬季休暇
短時間・有期雇用労働者にも、通常の労働者と同一の夏季冬季休暇を付与しなければならない。
(問題となる例)
A社においては、繁忙期に限定された短期間の勤務ではない有期雇用労働者であるXに対し、通常の労働者と同一の夏季冬季休暇を付与していない。
8⃣褒賞
褒賞が「一定の期間勤続した労働者に付与するもの」である場合、正社員と同一の期間勤続した短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の褒賞を付与しなければなりません。
このことがガイドラインに次のように記載されました。
褒賞であって、一定の期間勤続した労働者に付与するものについて、通常の労働者と同一の期間勤続した短時間・有期雇用労働者には、通常の労働者と同一の褒賞を付与しなければならない。
△各種手当・福利厚生に共通する留意事項について
1⃣通常の労働者の待遇引き下げによる待遇差の解消
正社員と短時間・有期雇用労働者との間の不合理な待遇差を解消する際には、正社員の労働条件を不利益に変更するのではなく、短時間・有期雇用労働者の労働条件の改善を図ることが求められます。
このことがガイドラインに次のように記載されました。
・短時間・有期雇用労働法及び労働者派遣法に基づく通常の労働者と短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者との間の不合理と認められる待遇の相違の解消等の目的は、短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者の待遇の改善であり、その目的に鑑みれば、当該待遇の相違の解消等に当たっては、通常の労働者の労働条件を不利益に変更することなく、短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者の労働条件の改善を図ることが求められる。
2⃣定年後に継続雇用された有期雇用労働者
正社員と定年後継続雇用の有期雇用労働者との間の待遇差が不合理と認められるか否かは、それぞれの待遇の性質・目的に照らして判断されるものであるため、定年後継続雇用の有期雇用労働者であることだけで、直ちに不合理ではないと認められるものではありません。
このことがガイドラインに次のように記載されました。
・定年に達した後に継続雇用された有期雇用労働者についても、短時間・有期雇用労働法の適用を受けるものである。このため、通常の労働者と定年に達した後に継続雇用された有期雇用労働者との間の待遇の相違については、実際に両者の間に職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情の相違がある場合は、その相違に応じた待遇の相違は許容される。さらに、有期雇用労働者が定年に達した後に継続雇用された者であることは、通常の労働者と当該有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理と認められるか否かを判断するに当たり、短時間・有期雇用労働法第8条のその他の事情として考慮される事情に当たりうる。定年に達した後に有期雇用労働者として継続雇用する場合のそれぞれの待遇について、当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切と認められる様々な事情が総合的に考慮されて、通常の労働者と当該有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理と認められるか否かが判断されるものと考えられる。したがって、当該有期雇用労働者が定年に達した後に継続雇用された者であることのみをもって、直ちに通常の労働者と当該有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理ではないと認められるものではない。
3⃣正社員人材確保のための待遇の相違
正社員とパートタイム・有期雇用労働者との間の待遇の違いの要因として、「正社員人材の確保や定着を図る」等の目的があったとしても、待遇差が不合理と認められるか否かは、その待遇の他の性質・目的にも照らして判断されるものであり、「正社員人材の確保や定着を図る」といった目的だけで直ちに不合理ではないと当然に認められるものではありません。
このことがガイドラインに次のように記載されました。
・通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間に基本給、賞与、各種手当等の待遇に相違がある場合において、その要因として当該待遇を行う目的に「通常の労働者としての職務を遂行しうる人材の確保及びその定着を図る」等の目的があったとしても、当該待遇の相違が不合理と認められるか否かは、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者の職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、当該待遇の他の性質及び当該待遇を行う他の目的にも照らして適切と認められるものの客観的及び具体的な実態に照らして判断されるものであり、「通常の労働者としての職務を遂行しうる人材の確保及びその定着を図る」等の目的があることのみをもって直ちに当該待遇の相違が不合理ではないと当然に認められるものではない。
4⃣無期雇用フルタイム労働者等へのガイドラインの適用
無期雇用フルタイム労働者について、パートタイム・有期雇用労働法に規定するパートタイム・有期雇用労働者には該当しないが、これらの労働者との労働契約を締結・変更する際の「均衡の考慮」に当たっては、ガイドラインの趣旨が考慮されるべきとされています。
このことがガイドラインに次のように記載されました。
所定労働時間が通常の労働者と同一であり、かつ、事業主と期間の定めのない労働契約を締結している労働者については、短時間・有期雇用労働法第2条第3項に規定する短時間・有期雇用労働者に該当しないが、次の事項に留意する必要がある。
1労働契約法第3条第2項の規定により、労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとされていること。
2均衡の考慮に当たっては、この指針の趣旨が考慮されるべきであること。
5⃣短時間・有期雇用労働法第八条の「その他の事情」の明確化
行政通達で示されている「その他の事情」の具体例(職務の成果、能力、経験、合理的な労使慣行等)をガイドラインにも記載し、事業主が短時間・有期雇用労働者の意向を十分に考慮せず一方的に待遇を決定した場合、当該待遇の相違が不合理と認められる事情とされうることが明確にされています。
このことがガイドラインに次のように記載されました。
・短時間・有期雇用労働法第8条におけるその他の事情については、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲に関連する事情に限定されるものではない。職務の成果、能力、経験、合理的な労使の慣行、事業主と労働組合や過半数代表者等との間の交渉といった労使交渉の経緯や結果等の諸事情がその他の事情として想定されるものであり、考慮すべきその他の事情があるときに考慮すべきものである。また、事業主が短時間・有期雇用労働法第14条第2項の規定に基づき通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間の待遇の相違の内容及び理由について十分な説明を行わなかったと認められる場合や、事業主が待遇の体系に係る議論において短時間・有期雇用労働者の意向を十分に考慮せず一方的に短時間・有期雇用労働者の待遇を決定した場合には、当該事実も短時間・有期雇用労働法第8条におけるその他の事情に含まれ、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理と認められることを基礎付ける事情として考慮されうる。
○事業主が講ずべき短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措
置についての指針(雇用管理指針)の改正~新たに追加された内容~
短時間・有期雇用労働法は、その第三条において「事業主は適正な労働条件の確保、教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善及び通常の労働者への転換の推進に関する措置等を講ずることにより、通常の労働者との均衡のとれた待遇の確保等を図り、当該短時間・有期雇用労働者がその有する能力を有効に発揮することができるように努めるものとする。」と規定しています。
雇用管理指針は事業主が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために、短時間・有期雇用労働法で定めるもののほかに必要な事項を定めたものです。
今回この指針が改正され、令和8年10月1日から適用されます。
以下に新たに追加された事項について記載します。
1⃣短時間・有期雇用労働者への職業能力開発促進法適用の明示
指針は、事業主が短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等を講ずるに当たって、適用される法令を列挙していますが、改正により、職業能力開発促進法の適用があることを明示しました。
職業能力開発促進法は、その第四条において、
第四条(関係者の責務)事業主は、その雇用する労働者に対し、必要な職業訓練を行うとともに、その労働者が自ら職業に関する教育訓練又は職業能力検定を受ける機会を確保するために必要な援助その他その労働者が職業生活設計に即して自発的な職業能力の開発及び向上を図ることを容易にするために必要な援助を行うこと等によりその労働者に係る職業能力の開発及び向上の促進に努めなければならない。
と規定しています。今回の改正により、短時間・有期雇用労働者にも職業能力開発促進法が適用されることが明記されましたので、事業主はこれを認識し、遵守しなければなりません。
第二事業主が講ずべき短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等を講ずるに当たっての基本的考え方
事業主は、短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置等を講ずるに当たって、次の事項を踏まえるべきである。
<雇用管理指針>
一労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)、最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)、労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)、職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四十七年法律第百十三号)、育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)、雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)等の労働に関する法令は短時間・有期雇用労働者についても適用があることを認識しこれを遵守しなければならないこと。
2⃣公正な評価に基づいた賃金の決定
短時間・有期雇用労働者の賃金を決定するに当たっては、職務の内容、職務の成果、意欲、能力または経験その他の就業の実態に関する事項を公正に評価し、昇給に反映する等、公正な評価に基づき決定することが望ましく、例示として短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との間で共通する職務等に応じ、共通する賃金制度または評価項目を設けることが指針に新設されています。
<雇用管理指針>
第二 三 短時間・有期雇用労働者の職務の内容、職務の成果、意欲、能力又は経験その他の就業の実態に関する事項を公正に評価し、昇給に反映する等、公正な評価に基づき賃金を決定することが望ましいこと。例えば、短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との間で共通する職務等に応じ、共通する賃金制度又は評価項目を設けることが考えられること。
3⃣短時間・有期雇用労働者の過半数を代表する者の要件等に関する記載
短時間・有期雇用労働法ではその第七条(就業規則の作成の手続)において、
第七条(就業規則の作成の手続)事業主は、短時間労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとするときは、当該事業所において雇用する短時間労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めるものとする。
第二項 前項の規定は、事業主が有期雇用労働者に係る事項について就業規則を作成し、又は変更しようとする場合について準用する。この場合において、「短時間労働者」とあるのは、「有期雇用労働者」と読み替えるものとする。
と規定しており、短時間・有期雇用労働者に関する事項について就業規則の作成・変更を行う際には、短時間・有期雇用労働者の過半数を代表する者の意見を聴くように努めなければなりません。
この短時間・有期雇用労働者の過半数代表者に関連して以下の三点が指針に新設されています。
- 短時間・有期雇用労働者の過半数代表者となることができる労働者の要件
第三 一 短時間・有期雇用労働者の過半数を代表する者
- 短時間・有期雇用労働者の過半数を代表する者(短時間・有期雇用労働者法第七条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。以下この㈠及び㈢において同じ。)に規定する短時間労働者又は有期雇用労働者の過半数を代表すると認められるものをいい、事業所に短時間・有期雇用労働者の過半数で組織する労働組合がある場合における当該労働組合を除く。以下この一において同じ。)は、次のいずれにも該当する者とする。ただし、イに該当する者がいない事業所において同条一項の意見を聴く場合にあっては、ロに該当する者とする。
ロ短時間・有期雇用労働者法第七条第一項の規定により意見を聴取される者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であって、事業主の意向に基づき選出されたものでないこと。
つまり、短時間・有期雇用労働者の過半数を代表する者の要件は、労働基準法施行規則第六条の二(過半数代表者)第一項、第二項と同じであることが明示されました。
- 不利益取扱いの禁止
<雇用管理指針>
第三 一 短時間・有期雇用労働者の過半数を代表する者
- 事業主は、労働者が短時間・有期雇用労働者の過半数を代表する者であること若しくは短時間・有期雇用労働者の過半数を代表する者になろうとしたこと又は短時間・有期雇用労働者の過半数を代表する者として正当な行為をしたことを理由として不利益な取扱いをしないようにしなければならない。
不利益取扱いについても、労働基準法施行規則第六条の二第三項と同じであることが記載されています。
- 事務遂行のための必要な配慮
<雇用管理指針>
第三 一 短時間・有期雇用労働者の過半数を代表する者
- 事業主は、短時間・有期雇用労働者の過半数を代表する者が短時間・有期雇用労働者法第七条第一項の規定による意見の聴取に関する事務を円滑に遂行することができるよう必要な配慮を行わなければならない。当該配慮としては、例えば、短時間・有期雇用労働者の過半数を代表する者が短時間・有期雇用労働者の意見の集約等を行うに当たって必要となる事務スペースや事務機器の提供(イントラネットや社内電子メールを利用させることを含む。)を行うこと等が考えられる。
これに関しても、労働基準法施行規則第六条の二第四項の規定と同様に記載されています。
4⃣福利厚生施設の利用に関する便宜の供与
短時間・有期雇用労働法はその第十二条(福利厚生施設)において、
第十二条(福利厚生施設)事業主は、通常の労働者に対して利用の機会を与える福利厚生施設であって、健康の保持又は業務の円滑な遂行に資するものとして厚生労働省令で定めるものについては、その雇用する短時間・有期雇用労働者に対しても、利用の機会を与えなければならない。
そして、施行規則第五条で、「法第十二条の厚生労働省令で定める福利厚生施設は次に掲げるものとする。一給食施設、二休憩室、三更衣室」とし、福利厚生施設の利用について規定しています。今回の改正で、その他の福利厚生施設に関しても具体例を挙げ、短時間・有期雇用労働者に対して利用に関する便宜の供与の措置を講ずるように配慮しなければならないことが明記されました。
<雇用管理指針>
第三 三 福利厚生施設
事業主は、短時間・有期雇用労働者について、業務が適正かつ円滑に行われるようにするため、短時間・有期雇用労働者法第十二条の福利厚生施設のほか、事業主が設置及び運営し、通常の労働者に対して利用の機会を与える物品販売所、病院、診療所、浴場、理髪室、保育所、図書館、講堂、娯楽室、運動場、体育館、保養施設、駐車場等の施設の利用に関する便宜の供与の措置を講ずるように配慮しなければならないものとする。
5⃣正社員転換推進措置について
短時間・有期雇用労働法はその第十三条(通常の労働者への転換)において、
第十三条(通常の労働者への転換)事業主は、通常の労働者への転換を推進するため、その雇用する短時間・有期雇用労働者について、次の各号のいずれかの措置を講じなければならない。
一通常の労働者の募集を行う場合において、当該募集に係る事業所に掲示すること等により、その者が従事すべき業務の内容、賃金、労働時間その他の当該募集に係る事項を当該事業所において雇用する短時間・有期雇用労働者に周知すること。
二通常の労働者の配置を新たに行う場合において、当該配置の希望を申し出る機会を当該配置に係る事業所において雇用する短時間・有期雇用労働者に対して与えること。
三一定の資格を有する短時間・有期雇用労働者を対象とした通常の労働者への転換のための試験制度を設けることその他の通常の労働者への転換を推進するための措置を講ずること。
と、規定しています。今回の改正では、法第十三条各号の転換推進措置実施の際には、「正社員への転換のための制度を設けるとともに複数の措置を講ずることが望ましいこと」「労働契約の更新の際の面談等の機会を利用し、または電子メール等を活用すること等により、正社員転換推進措置の対象となる短時間・有期雇用労働者の意向を確認し、その意向に配慮しなければならないこと」が記載されています。
<雇用管理指針>
第三 四 通常の労働者への転換の推進
- 事業主は、短時間・有期雇用労働者法第十三条各号のいずれかの措置を講ずるに当たっては、通常の労働者への転換のための制度を設けるとともに複数の措置を講ずることが望ましい。
- 事業主は、短時間・有期雇用労働者法第十三条各号のいずれかの措置を講ずるに当たっては、労働契約の更新の際の面談等の機会を利用し、又は電子メール等を活用すること等により、当該措置の対象となる短時間・有期雇用労働者の意向を確認し、その意向に配慮しなければならないものとする。 6⃣待遇差についての説明
・説明方法について
第十四条(事業主が講ずる措置の内容等の説明)
第二項 事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者から求めがあったときは、当該短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との間の待遇の相違の内容及び理由並びに第六条から前条までの規定により措置を講ずべきこととされている事項に関する決定をするに当たって考慮した事項について、当該短時間・有期雇用労働者に説明しなければならない。
と規定しています。今回の改正では、改正前の「口頭により説明することを基本とし、資料を用いる場合には、資料を交付する等の方法でも差支えない」の記述を変更・追記し、「資料を活用し、口頭により説明する方法又は説明すべき内容を総て記載した資料を交付する等の方法」のいずれかの方法とし、口頭により説明する方法による場合には、説明に活用した資料等を交付することが望ましいこととしています。
また、労働者の個人情報等の漏洩の観点から資料を交付することが困難な場合であっても、短時間・有期雇用労働者から求めがあったときには資料を閲覧させる等の工夫をするように努めることが記載されています。
<雇用管理指針>
第三 五 ㈣ 説明の方法
事業主は、短時間・有期雇用労働者がその内容を理解することができるよう、資料を活用し、口頭により説明する方法又は説明すべき事項を全て記載した短時間・有期雇用労働者が容易に理解できる内容の資料を交付する等の方法により説明するものとする。また、資料を活用し、口頭により説明する場合には、事業主は、説明に活用した資料その他の関連資料を交付することが望ましい。さらに、労働者の個人情報等の漏えいを防止する等の観点から当該資料を交付することが困難な場合であっても、短時間・有期雇用労働者から事後に求めがあったときは当該資料を閲覧させる等の工夫をするように努めるものとする。
・説明の求めがない場合の周知
短時間・有期雇用労働法はその第十㈣条第二項(事業主が講ずる措置の内容等の説明)は、「その雇用する短時間・有期雇用労働者から求めがあったときは、・・・・当該短時間・有期雇用労働者に説明しなければならない。」と規定していることから、説明の求めがあったときを前提とした規定です。今回の改正では、説明の求めがない場合には短時間・有期雇用労働者が説明を受ける機会を逸失し、紛争に発展することが考えられるため、説明の求めがない場合であっても、労働契約の更新時等に、短時間・有期雇用労働者と通常の労働者との間の待遇差の内容・理由に関する分かりやすい資料を交付することや、待遇の相違の内容・理由に関する説明を求めることができることを周知するといった対応を行うことが望ましいことが記載されています。
<雇用管理指針>
第三 五 ㈤ 説明の求めがない場合における周知等
事業主は、短時間・有期雇用労働者の自らの待遇に関する納得性の向上が当該待遇に関する紛争の防止に資することを踏まえ、短時間・有期雇用労働者から説明の求めがない場合であっても、労働契約の更新の際等に、当該短時間・有期雇用労働者に対し、短時間・有期雇用労働者が待遇の相違の内容及び理由について容易に理解できる内容の資料を交付することや、待遇の相違の内容及び理由について説明を求めることができることを周知すること等が望ましい。
7⃣労使の話し合いの促進
事業主が短時間・有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する措置を講じるに当たっては、そのコミュニケーションの方法として、「関係労使の十分な話合いの機会を提供する等」と抽象的な表現がされていましたが、今回の改正では、短時間・有期雇用労働者との話合いの機会を設けること又はアンケートを実施すること等という具体的な方法を示し、そしてその方法は短時間・有期雇用労働者の意見を反映させるために執るものであるというその目的が追記・明示されています。
<雇用管理指針>
第三 六 労使の話合いの促進
- 事業主は、短時間・有期雇用労働者の就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して雇用管理の改善等に関する措置等を講ずるに当たっては、短時間・有期雇用労働者との話合いの機会を設けること又はアンケートを実施すること等により、当該事業主における関係労使の十分な話合いの機会を提供する等短時間・有期雇用労働者の意見を聴く機会を設け、当該意見を反映させるための適当な方法を工夫するように努めるものとする。
- 短時間・有期雇用労働者の過半数代表者に関することを理由として解雇等の不利益取扱いの禁止
これは改正後指針の第三 一 ㈡に同事項が新設されたことによるものです。
- 雇用管理の改善等に関する情報の公開
<雇用管理指針>
第三 九 雇用管理の改善等に関する情報の公表等
事業主は、通常の労働者への転換のための制度の内容及び当該制度による転換の実績並びに職務の遂行に必要な能力を付与するための教育訓練等に関する取組状況に関する情報を短時間・有期雇用労働者に明示するよう努めるとともに、公的機関のウェブサイト又は自ら管理するウェブサイトへの掲載その他の適切な方法により定期的に公表することが望ましい。
2026年08月21日 11:08
