子ども・子育て支援金制度、~日本の未来のために~
子ども・子育て支援金制度○子ども・子育て支援金の徴収が始まります。
2023年4月7日、日本政府は「こども未来戦略会議」を立ち上げ、社会問題となっている少子化や人口減少の進行に歯止めを掛けるための対策の検討を開始しました。
その中で、日本の出生数は2000年代に入ってから急速に減少してきていて、このままだと2030年代には若年人口は現在の倍のスピードで急減すると考えられるため、これからの6~7年が少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスであり、2030年が少子化対策の分水嶺となるとの認識の下、今後3年間を集中取組期間として「こども・子育て支援加速化プラン」に取り組むこととし、子育て支援の新設・拡充を行うこととしました。「子ども・子育て支援金」は、この子育て支援策の財源を確保するために創設されたもので、令和8年4月分から健康保険料に併せて徴収が開始されます。
○子ども・子育て支援金を負担するのは誰か。
子ども・子育て支援金は、独身者、子育て終了者、高齢者を含む総ての世代が負担し、子育てをみんなで支え合う仕組みです。それでは、子育て世代の者は負担しないのか、といえばそうではありません。健康保険料に併せて徴収される仕組みですので、子育て世代の者も負担することになります。ただし、育児休業期間中の企業の従業員については、健康保険料や厚生年金保険料と同様に支援金も免除されます。(自営・フリーランスの育休については後出)
子育て世代者からすれば、自身も負担するのなら支援されていることにならないのでは?と割り切れない思いをする方もおられるでしょうが、負担した分の何倍もの給付があるのですから、仕組みの簡潔性・統一感を保持するという観点からは納得せざるを得ないものと思います。
一方、子育て世代以外の者の割り切れない思いはといえば、国の将来を考えての支え合いに協力するということで納得せざるを得ないということなのでしょう。
なお、企業の従業員(被用者保険加入者)の負担額は、健康保険料や厚生年金保険料と同様に企業と折半負担となりますので個人負担は軽減されます。支援金の負担は個人だけでなく企業も負担する仕組みとなっています。
○子ども・子育て支援金の負担額
支援金の金額については、加入している健康保険によって計算方法が異なるため、一律で記載できませんが、加入制度によって以下のようになります。
- 被用者保険加入者(企業の従業員)の場合
*:国が一律の支援金率を示すこととしていて、令和8年度の支援金率は0.23%
・事業主と折半負担
・令和8年4月分支援金(5月支給給与から控除)から徴収開始
- 国民健康保険加入者
・令和8年4月分支援金から負担、徴収開始時期は各市区町村が決定
- 後期高齢者医療制度加入者
・令和8年4月分支援金から負担、徴収開始時期は各後期高齢者医療広域連合が決定
上記のとおり、個々人の金額を記載することは加入する医療保険、世帯、所得の状況等によって異なるためできませんが、こども家庭庁資料によると、全加入者1人当たりの平均月額(見込み)は、令和8年度250円、令和9年度350円、令和10年度450円程度と推計されています。
○子ども・子育て支援金は何に使われるのか。
子ども・子育て支援金は「こども・子育て支援加速化プラン」に盛り込まれた以下の子育て支援策の給付を通じて現役世代に還元されます。つまり、支援策のための給付として使われます。
<子育て支援策>
①児童手当の拡充(R6.10から支給開始)
所得制限撤廃、高校生まで延長、第三子以降3万円
②妊婦10万円給付(R7.4から支給開始)
妊娠・出産時に合計10万円給付
③育児休業手取り10割(R7.4から支給開始)
両親が育休取得した場合に手取り10割相当支給
④育児時短勤務給付(R7.4から支給開始)
育児中に時短勤務をする場合に時短勤務時の賃金の10%を支給
⑤こども誰でも通園制度(R8.4から給付化)
保育所等に通っていないこどもの保護者が月10時間利用可能
⑥国民年金1号被保険者の育休中保険料免除(R8.10から制度開始)
自営業やフリーランスの育児期間中の国民年金保険料免除
なお、徴収した支援金の使途は法律ですべて子育て支援関係に限定されているため、他の用途に使用することはできません。
以上、「子ども・子育て支援金制度」は、子育て世代への支援を全世代で行い、少子化や人口減少という国が抱える社会問題の改善を図るために設けられた新しい負担金制度です。
全世代で負担した支援金が、子育て世代に有効に活用されることで、国が抱える問題好転への一助になることを願います。
2026年01月23日 10:40