最近よく聞く企業の安全配慮義務とは?
企業には安全配慮義務という義務が課されています。最近ニュースで毎日のように報道されている放送局の案件で、時折耳にする言葉だと思いますので、記載します。安全配慮義務は労働契約締結に伴って信義則上当然に企業が負うことになる義務で2007年に労働契約法が公布されるまでは法律に規定されていませんでしたが、労働契約法第五条によって明文化されたものです。
つまり、従来は労働契約に特段の根拠規定がなくとも、労働契約の付随的義務として当然に企業が追っていた安全配慮義務が、法律に規定されることによって明確になったものです。
安全配慮義務とは、労働者の生命・身体の安全や心身の健康が阻害されることがないように配慮する義務のことをいい、労働契約法第五条では「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と規定されています。
ここでいう必要な配慮とは、一律に定まるものではなく、使用者に特定の措置を求めるものではありませんが、労働者の職種、労務内容、労務提供場所等の具体的な状況に応じて、必要な配慮をすることが求められるものであることとされていることから、企業が安全配慮義務を果たすためには、具体的には多くの対策を講じなければなりません。例えば、・職場環境の安全衛生管理・労働環境の整備・災害対策・健康診断やメンタルヘルス対策・ハラスメントやいじめ対策・第三者の故意による行為の防止対策等枚挙に暇がありません。
このことから、完璧な対策は困難またはないと言えるでしょう。起こり得るリスクを定期的に予見・分析することで、対策をアップデートする努力が必要となるでしょう。
では、必要な配慮がされておらず安全配慮義務を怠っていたと判断された場合、企業に問われる責任とはどのようなものなのでしょうか。
それは安全配慮義務違反として、労働者から損害賠償請求をされる可能性です。
安全配慮義務を規定する法律は労働契約法ですが、労働契約法には罰則の規定がないため、同法違反で処罰されることはありません。しかし、労働契約違反を理由として民法の債務不履行による損害賠償または不法行為の使用者等の責任を根拠とする損害を賠償する責任を負うことになります。
過去の裁判例を見てもかなり高額の損害賠償額が課されたものもありますので、企業としては労働者の安全への配慮について日常的に意識しておくことが重要です。
2025年02月05日 10:11